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金沢市中央倫理法人会


by rinri_center

平成20年度金沢市中央倫理法人会 倫理経営講演会

平成20年4月23日開催

第一章「企業力は社長力」
講師 山成商事(株)社長 山口成俊 様 平成20年度金沢市中央倫理法人会 倫理経営講演会_f0042690_1738236.jpg

七尾法人会の山口です。この倫理経営講演会のテーマは、商売の秘訣ということですが、そんなものがあったら私が教えてほしいくらいです(笑)
私は昭和38年、七尾で初めてスーパーを開店しました。
もともと父が鮮魚の卸問屋で七尾で取れた魚を金沢や地方に卸す仕事をしていました。
しかし年々漁獲高は減少するし、当時東京で出始めたスーパーでもやってみるかと始めました。以来45年、能登に10店舗展開する企業になりました。
社名の「どんたく」とは、実は博多どんたくから来ているのです。
どんたくとは「祭り」のこと、オランダ語の「ドンターク(休日)」という意味でもあります。
開店当時、1階2階が売り場、3階4階が自宅でした。とにかく昭和30年代は売れて売れて、とても忙しく、こんな商売はやりたくない。自分は学者か教師になりたいとおもっていたくらいです。
しかし突然父が亡くなります。私が24才のときでした。
当時私は大学を卒業し、金沢の東京ストアーでスーパーの修行のため、肉を切る仕事をしていました。ところが父の訃報を聞き、昭和54年七尾に戻って来たのです。

私はスーパーとは店を開けさえすればお客は来てくれるものと思っていました。
ところが、どんたくの2号店を開店したら、まったく客が入らなかった。
毎日毎日会議です。「どうやったら客が入るか?」とそればかり。
現場からは「客がくれば仕事をする意欲はあるんだ、客を入れるのは社長の役目だろう」という意見が続出です。
当時の私は悩み、考えて売り場に立つ事にしました。
大学での社長が作業着と長靴履きで魚をさばいて売りました。
銀行には怒られました。なにをやっているんだ、魚なんかさばいてないで、もっと経営に力をいれろと。
でもいちばん大切な事は現場の声を聞く事です。お客様や従業員の生の声を聞き、経営に反映する事です。今に見ていろと心に誓う日々でした。
また、大手のスーパー、ジャスコやユニーも進出してきました。
激しい戦いの日々、気がつけば10店舗、120億の売り上げの企業になっていました。

経営は、1番でなかったらダメです。2番手3番手では、生き残れません。
スーパーはひとつの地域に集中して出店してゆく。他店と競争して商売するのは得策ではありません。
孫子曰く「戦わずして勝つ」他店が進出できないくらいの力をつけないと利益はありません。
ところが、そうやって競争のない状態が続くと、自社の組織が弱くなります。
だから会社の中に実力主義の競争状態を作り出す。
また、スピードと力のある企業と提携し、ノウハウを蓄積する事も大切です。
商売とはお店のファンを増やす事です。
商売とは付加価値をつけることです。
店で買えば200円のビールが、高級な店で飲めば1000円になる。
これは付加価値です。
サービスは無限だけど、無料ではない。
お客様を大切にするなら、まず従業員を大切にすることです。
そうすると従業員がお客様を大切に扱ってくれます。

私は能登にこだわりたい。能登を元気にする企業にしたい。
よく中央に出ないかと言われますが、中央に出て3流の企業になるより、能登で一流の企業になりたいのです。

第二章「繁栄の倫理」
講師 マルソー(株)会長 渡邊喜彦様 平成20年度金沢市中央倫理法人会 倫理経営講演会_f0042690_17403679.jpg

私は新潟県三条市でマルソーという物流業を経営しています。
昭和19年生まれの63才であります。
会社は3代目、グループ全体で年商57億円、社員数は650人です。
グループ企業は10社、そのうち3社の社長を兼任しております。
最近の日本の世相を見ますと血なまぐさい事件が多い、これはひとえに教育の問題でもあります。家庭や学校だけでなく、会社での教育の大切さを実感します。
うちは三条タクシーという会社も経営しております。
もともとは倒産しかけた会社でしたが、うちが経営するようになって業績が回復しました。
お客様には、熱いおしぼりを出す。お客様の乗り降りは必ず降りてドアを開ける。
老人の方は、手を引いてあげる。
売るというのではなく、買っていただくのですから、これは当然の事です。
売れないから値下げをするというのは、ダメなのです。
企業はこれからも、どんどん淘汰されてゆきます。
その中で、私たちは生き残って行かなければならない。
会社の創業者は5つの「ない」から起業しました。
人・物・金・実績・のれん。
これを乗り越えるのには3つの「意」が必要です・
熱意・誠意・そして創意です。
苦難にあったときには、この3つの「意」を思い出し、苦難こそチャンスだと思い努力しなければなりません。
心と体は一体です。会社がおかしくなると心まで病気になります。
これを「物心一如」そして「心身一如」といいます。
元気で心が明るいと、会社も良くなりますし、しいては世界も良くなります。

私はそうやっていくつもの苦難を乗り越えてきました。
当社には重量部門の子会社がありました。これが儲からない毎年赤字です。
もうやめようと何度も会議で言われましたが、徹底的に社員を教育する事で業績が回復しました。
とにかく仕事が楽しくなくてはいけない。社員一人一人が元気にならないといけない。
ダメな会社は社員の文句が多いのです。
まず第一に「現状分析」今の状態を客観的に正しく見る事。
何が問題なのか?それを知る事が第一です。
2にどうやって改革するか?どこから手を付けてどう進めるか?
3に目標が決まったら、まよわずすぐに実行する事。厳しく、そして温かく。

事故の多い会社は社員と幹部の「和」がない事が多いのです。
長距離を走るトラック運送の場合、往復3日間かかりますが、夜は運転手にまかされていました。それを幹部が毎日当直して夜中にドライバーに連絡を取るようにしました。
また出発するときにはお守り袋をドライバーに渡します。
中にはキャンディーや眠気覚ましのガムといっしょに、小さな手紙が入っています。
事務の女の子が気遣ってひとことメッセージを書いていれるのですが、これが良い。
また自分の車に愛称をつけて整備をするようにしました。
そうすると、事故が0になりました。
企業は「人」です。人を育てる事が繁盛への道です。
そして人は使えば使うほど、健康になり元気になり、能力があがります。
倫理は急いではいけません。
ゆっくりでもいい、とにかく続ける事です、ダメなのは途中でやめる事。
自分のやっている仕事を天職だと思い、使命感を持って続けてください。

倫理は
決めごとをきちんと守る。
親と祖先を大切にする。
夫婦仲良くする。
恩を受けているという意識を持つ。
天職という意識を持つ事。
これだけを守ってください。

本日の倫理講演会の参加者は186名でした。
講演後の懇親会も大勢の参加者で大変盛り上がり、多くの方々が名刺交換をし活発な交流が行われました。
役員の皆様、ほんとうにご苦労様でした。素晴らしい講演会でした。
by rinri_center | 2008-04-27 19:24